『ぜいとぅーん』63号 2018年2月28日発行
イドナ村を訪問したのは、アメリカのペンス副大統領がエルサレムを訪問する前日でした。検問所の通過が厳しくなるのではないか、道路封鎖で遠回りする必要があるかも、お昼過ぎには村を出た方がいいかも、、、など、あれこれ考えて、朝早くエルサレムを出ましたが、 道路は通常通りでした。
朝6時過ぎのエルサレムはまだ薄暗く朝焼けが綺麗でしたが、仕事に朝早く出かける人たちがけっこういましたし、アラブ風サンドイッチの屋台ももう出ていました。ベツレヘム近郊行きのバスもすぐに乗客がいっぱいになりました。バスでベツレヘム近郊まで行ってから乗り換えイドナ村に向かいました。
検品・新しい電灯
イドナ村女性組合は3人の中心スタッフと事務のパートスタッフ1人がセンターにいて、刺繍をする約45人はセンターに刺繍糸・布などの材料と見本を取りに来て、自宅で空き時間に刺繍をします。縫製する5人は、刺繍された布を受け取ってセンターや自宅でミシンで製品に仕上げていきます(ミシンはイドナ村女性組合のもの)。
イドナ村女性組合のセンターでの私の主な仕事は検品。他の人にも手伝ってもらって、どうにか2時間ちょっとで150点ほどの商品の検品を終わらせました。外側から刺繍と縫製を見て、ひっくり返して縫製を確認して、、、と一つ一つに時間がかかります。集中して根をつめる作業なのですが、終わったら美味しいご飯!と思って頑張りました、、。
ところで、去年検品するときに困ったのは、電気が暗くて、細かいところが見えにくかったことです。入り口のドアを開けて太陽の光が入るようにして、みんなでドアの近くで検品しました。しかし、今年は、電灯が1つ増えていました! より良い製品を作るには必要なことです。
新作品・特注商品の色合わせ
実は、いま、日本の男性用の着物の角帯にする刺繍を作成中です。イドナ村女性組合も、パレスチナの他の刺繍団体も、日本の女性用の着物の帯への刺繍は経験があります。それを知った友人が「男性の帯もできないかな、、?」と言ったことから、小平市の「染と呉服 京や」さんとのコラボで帯を作ることになりました。刺繍をしてから帯に仕立てるので、私が日本から生地を持って行きました。事前に希望のデザインを伝えてあり、訪問時に色を合わせました。
例えば、刺繍糸には緑色だけでも50種類以上あります。手元にある刺繍糸や刺繍糸の色見本を実際に生地に置いてみて色を選んでいきました。在庫のないものは、色見本の番号を指定して後日購入します。新商品をつくるときも同じように色あわせをします。そして、試作品で実際に刺繍をしてみて色を確認します。
洗濯機
みんなでご飯を食べているときに、洗濯が話題になりました。中心スタッフのナイーメさんとサーディエさんは手洗いで洗濯をすると言っていましたが、ヌハさんはイドナ村女性組合のお給料で洗濯機を買ったそうです。 小さな子どもが4人いてもう一人妊娠中なので、洗濯機は必需品かも。そしてやりくり上手?! 中古のドラム式の洗濯機が2000シェケル(約6万円)ということでなかなかの値段です。*パレスチナの物価は日本とあまり変わりません。