共著『パレスチナのちいさないとなみ』が出ました!

オリーブオイル石けん刺繍製品 パレスチナのちいさないとなみ オリーブオイル工場オリーブの林

背景がわかる良質な商品をお届けします。

パレスチナ・オリーブでは、素材の質や効能はもちろん、
誰が、どんな状況で、どういう方法で作ったものなのかといった製造背景をクリアにしています。
だから安心。だから美味しい。だから、自信を持ってオススメできる商品ばかりです。

生産者パートナーと協力し、ともに生きる
誰もが大切にされる社会を作っていきます。

パレスチナ・オリーブは、パレスチナ北部のガリラヤ地方(1948年からイスラエル領)のオリーブオイルなどの食品、ヨルダン川西岸地区(パレスチナ自治区)ナーブルスのオリーブ石けん、ヨルダン川西岸地区(パレスチナ自治区)イドナ村の刺繍製品を扱っています。

実際に食べて使って納得したものを輸入し、現地を訪問・交流しながら活動しています。

イベント

『ぜいとぅーん』65号 ガリラヤのシンディアナ

『ぜいとぅーん』65号 2019年3月1日発行

今年も1月下旬にパレスチナの生産者を訪問しました。

オリーブの収穫期(10月半ば〜12月)はみんなが忙しいので、ひと段落してからのタイミングで訪問することが多くなります。農家さんではなくても、村に住む人たちは代々受け継がれてきたオリーブの木を持っています。村のはずれにオリーブ林が広がっていることが多いです。だから、例えば、イドナ村女性組合の人たちも、この時期は刺繍の仕事は減らして、それぞれ自家用のオリーブを収穫します。

シンディアナや契約農家さんたちが忙しいのは言うまでもありません。このオリーブ林でこんな味のオイルが欲しかったら、この時期に収穫するのがベスト、というタイミングを見定め、収穫しすぐに圧搾工場に運んで、シンディアナの倉庫への搬入、、、とトラックの手配などあれこれ調整、そしてオリーブオイルを外部機関に検査に持って行って、、、です。

ガリラヤのシンディアナ

ガリラヤのシンディアナの倉庫・事務所で働いているのは、運営スタッフ、作業チームのメンバー、ビジターセンターの運営スタッフ合わせて約15人、ほぼ全員女性です。運営スタッフには、ユダヤ系イスラエル人もいます(契約農家さんやその他アドバイザーの人数は除いています)。

作業チーム

オリーブオイルのボトル詰めなど工場で出荷作業をしているのは、40歳代の女性たちです。チーフは、シンディアナで働いて10年なるモナさん。他のメンバーもほぼ5年以上になります。

ちょうどパレスチナ・オリーブ向けのオリーブオイル250ccのボトル詰めをしていました。

「ナスリーンさんがタンクからつながる管を通ってくるオリーブオイルをボトルに入れて、シュリーンさんが機械でフタしめ、ワフィーエさんがふたにカバーをかけて、機械がふたカバーを圧縮してラベル貼り。それをアイーシャさんがチェックしてダンボールに入れる。段ボールをパレットに重ねていく。パレットの上の段ボールを崩れないようにビニールで覆っていく。」

モナさんは、高校卒業後、カレッジで2年会計を学び、その後ナザレで働きましたが、結婚で退職しました。娘が二人、息子が二人。長男は、もう勉強はいいと高校卒業後に働き始めたけれど、いま勉強したがっている。長女はいまハイファ大学在学中だそうです。彼女と電話で話しましたが「お母さん(モナさん)が働いて自信を持ってイキイキしていることは、私たちにも良いこと。家族が明るい感じ。」と言っていました。モナさんの夫さんは建築作業員です。ガリラヤ地方の男性は、テルアビブなど遠くのユダヤの町の建築作業をして、週末にガリラヤに戻ってくる、という生活をしている人も多いです。

オリーブオイル圧搾工場

稼働時期ではありませんが、デイル・ハンナ村のオリーブ圧搾工場に行ってきました。シンディアナ立ち上げ当初からのメンバーである契約農家のアベッドさんの親族のラーエドさんの工場です。より美味しいオリーブオイルを作るため、シンディアナも協力して9年前にこだわりの工場を作りました。

オリーブの実は、収穫から約24時間以内に工場に運んで圧搾してオリーブオイルにしないと酸化濃度が上がってエキストラヴァージンオイルになりません圧搾工場が稼働しているのは1年間に2ヶ月半だけですが、その時期は24時間フル操業です。

*エキストラヴァージンオイルは、酸化濃度0.8%以下、搾っただけで(何も加えたり減らしたりしないで)美味しいオリーブオイルを言います。

オリーブからオリーブオイルへ

<水・風で洗う→オリーブを潰しながら混ぜる(35℃以下:低温圧搾)→遠心分離機で水分と油分を分離する>1〜1.5トンで約3時間かかります。

*有機オリーブ用とその他の2つのラインになっています。
*オリーブの搾りかすは、燃料として使っています。

ラーエドさんは、オリーブ収穫の時期以外は農作物を含む植物の栽培管理のアドバイスを仕事にしています。ちなみに、オリーブ農家のアベッドさんは農業学校の先生をしています(農業だけでは食べていけないのです)。

ところで、アベッドさんは若い時にドイツの大学で学びましたが、いま息子さんがドイツに留学中だそうです。「高くないの?」と訊いたら「留学の方がイスラエルの大学より安い」。(ドイツは学費が原則無料) なるほど。イスラエルの物価は高いし、ヘブライ語で入試・授業を受けなければならないし、アラブ・パレスチナのの村からユダヤの町の大学に通うのは交通が不便だし、家賃も高いし、、、確かに留学の方が安いのかもしれません。

*ガザ地区・ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人の大学進学率は約50%と高いですがイスラエル内のパレスチナ人の大学進学率は10%以下と低いです。

ヘブライ語コースと先生

シンディアナの倉庫・事務所の上階に作ったビジターセンター。ここではシンディアナの製品が買えるだけでなく、オリーブオイルのテイスティングをしたり、アラブ料理を食べたり、カゴ編みをしたり、、、と訪問客がスタッフたちと一緒に体験ができるプログラムもあります。そのほかに、パレスチナ女性向けのコースもやっています(マアンの事務所も絵画、ヨガのコースやエンパワメントコースなどいろいろあります)。

毎週日曜日はナツメヤシの枝で編む、カゴ編みコースです。いま、ユダヤ女性が2人、パレスチナ女性が8人、一緒に学んでいます。

水曜日はヘブライ語コース。コフル・カナ在住のパレスチナ女性、ラギダさんが女性たちを教えています。参加者は約15人。ラギダさんは大学を出た後、数学の先生などをしたり、観光ガイドの仕事をしたりしています。「教えるのが好き、人々が好き、人の助けになるのが好き。つまり、人が強くなるのが好き!」と話していました。また、イスラエル内に住むパレスチナ女性(母語はアラビア語)は、他の地域に行きづらい。ヘブライ語ができないことで、自信がなく、性格と生活が引っ込み思案になりがち。逆にヘブライ語ができるようになると、パレスチナの村の中にいるだけでなくハイファなど他の町に行きやすくなる。病院でも話がきちんとできる。

1回の2時間の授業で、ヘブライ語の時間は1時間半くらい。そのほかに自分たち自身についても30分ほど話すそうです。若い女性も参加していました。シンディアナの作業チームのナスリーンさんも仕事の後に参加。「疲れていないの?!」と聞いたら「ちょっとは疲れているけど」と言いながら他の人と楽しそうに話していました。

ラギダさんは40歳代で独身。ラギダさんは、お母さんは教育を受けていないけれどユニークな人で、自分はお母さんから影響を受けた、と話していました。お母さんはいま65歳で老人ホームの調理場で働いているそうですが、いまも勉強する気持ちがあって、ラギダさんが勉強していると近くにいて、話を聞いてくる、と。

ラギダさんには強い印象を受けましたが、ヘブライ語ができないとイスラエルでは自信を持って暮らしにくい、行動が制限されるということには、だいぶ考えさせられました。

ユダヤ人スタッフ:ラヘルさん

貿易事務を担当しているラヘルさんは、シンディアナで働いて6年半になります。働く前から、シンディアナのことは知っていたそうです。話を伺いました。

*****

もともとパレスチナとの関わりがあり、例えば、2005年頃には、分離壁反対の行動を続けているビリン村(ヨルダン川西岸地区)にも通っていました。ただ、抗議行動に参加するため、というより、そこで知り合ったビリン村のパレスチナの友人とその家族を訪ねるという関わり方でした。

自分がこういう活動をしているのは、振り返ってみれば、両親の影響かもしれません。両親は、1951年にイスラエルとレバノンの国境付近から「一時的に」と言われて退去させられ、戻れなくなったパレスチナ人たちの裁判に関わっていました。ただ、他の兄弟・親族はまた別の政治的立場です。

シンディアナのビジターセンターは「ユダヤ人とアラブ・パレスチナ人が協力できる」「一緒のチームだ」と見せているという点で重要です。アラブ人スタッフ、ユダヤ人スタッフのそれぞれにパーソナル・ヒストリーと活動があります。(シンディアナの事務所という)狭いところに多様性があります。

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投稿日:2019年09月22日(日)
この記事のURL:http://www.paleoli.org/?eid=284