共著『パレスチナのちいさないとなみ』が出ました!

オリーブオイル石けん刺繍製品 パレスチナのちいさないとなみ オリーブオイル工場オリーブの林

背景がわかる良質な商品をお届けします。

パレスチナ・オリーブでは、素材の質や効能はもちろん、
誰が、どんな状況で、どういう方法で作ったものなのかといった製造背景をクリアにしています。
だから安心。だから美味しい。だから、自信を持ってオススメできる商品ばかりです。

生産者パートナーと協力し、ともに生きる
誰もが大切にされる社会を作っていきます。

パレスチナ・オリーブは、パレスチナ北部のガリラヤ地方(1948年からイスラエル領)のオリーブオイルなどの食品、ヨルダン川西岸地区(パレスチナ自治区)ナーブルスのオリーブ石けん、ヨルダン川西岸地区(パレスチナ自治区)イドナ村の刺繍製品を扱っています。

実際に食べて使って納得したものを輸入し、現地を訪問・交流しながら活動しています。

イベント

『ぜいとぅーん』65号 ナーブルス石けん工場

『ぜいとぅーん』65号 2019年3月1日発行

今回の滞在中は、連日晴天で上着を着なくても汗をかくくらいだったのですが、ナーブルスを離れる日だけは一日中雨で、ダウンコートを着ても寒かったです。

工場に到着した日は、オリーブ石けん素地の乾きが少し足りないということで製造は休み、翌日、石けん製造の最終工程を見学しました。石けんを棒状にしてからカットして一つ一つの形にし、それに刻印していく作業です。

石けん製造のそれぞれの段階で常に細かくチェックしていますが、最終工程では、一つ一つ、全ての石けんを丁寧にチェックしていることに感動しました。工場の人たちは、当たり前のこと、と言っていましたが。材料が最高なだけではなく、こうやって丁寧に作られているからこそ、いい石けんができるのだな、と今更ながら思いました。そして、普段話している時には穏やかな工場主や職人さんたちですが、現場にはやはりピリッとした空気があります。

石けん工場は、工場主のマジュタバさんと弟、職人さんたち、事務方で約20人、ほとんどが男性ですが、インダストリアル・エンジニアのワファさんなど数人が女性です。若い女性はなかなか定着しないのですが(結婚その他)、ワファさんは働いて3年になります。勤めて5年のダルウィーシュさんは、会計や事務の担当ですが、人手が足りない時には工場を手伝うこともあります。また、工場内でも、女性が働き始めていました。1年になるそうです。全体的には重労働が多い石けん製造ですが、女性にもできる作業もあるので、ということでした。

石けん産業

古くからオリーブ石けん製造で有名なナーブルスの街。2000~2004年、イスラエル軍の大侵攻・封鎖が厳しくなる前には、ナーブルスのオリーブ石けん工場は約20あったそうですが現在は3つ。海外から安い石けんも入ってきて、なかなか厳しい現状です。一方、石けんプロジェクトは各地で人気だそうで、ナーブルス近郊での女性たちによる石けんプロジェクトには、マジュタバさんが作り方の指導に行ったそうです。

家族

工場では、職人さんであり経営者であり、いい石けんにこだわるため仕事に厳しいマジュタバさんですが、家族については心配性。アラブの男性らしく(?)自分が家族を守りたい気持ちがあるようですが、そこはビジネスをしている家系だからなのか、それぞれが独立心があってマイペース。

長女のファラハさんはナーブルスからラマッラーのメディア関連会社に通勤していましたが、とうとうラマッラーに引越。安月給でレポーター・原稿書きから電話対応・事務など全てをこなしてくたくたに働き、週末に実家に帰ってくるとひたすら寝ている、とマジュタバさんは娘を心配。

ナーブルスがイスラエル軍による激しい軍事攻撃を受け、その後も仕事がなかった2000年代。マジュタバさんの弟のマヘルさんは、ドバイに働きに行き、そこで知り合ったフィリピンの女性と結婚し、ナーブルスに戻って石けん工場を手伝っていたのですが。石けん工場の仕事を辞め、妻と一緒に幼稚園を始めたそうです! マジュタバさんはこれも、子どもを預かるということは責任があって大変だ、、、と心配していましたが、、、心配しすぎです。

「エナミ」

ナーブルスの街中は雨でいつもよりはお客さんがが少なそうでしたが、市場の人たちはしっかり働いてました。大きなカリフラワーなどの野菜、スパイス、衣料品、日用品、なんでも売っています。パレスチナ産のクルミの隣にカルフォルニア産のクルミを売っていたりするので、お土産を買うには、パレスチナ産はどれ?と訊きながらの買い物です。

私が乾燥ナツメヤシ・杏・イチジクを買った、ドライフルーツ・スパイス屋のお兄さん。私が日本人だとわかると、「エナミは見る??」と聞いてきましたが、英語でもアラビア語でも心当たりがなかったので、戸惑いました。まさかエナミー(敵)ではないだろうし、、、。その後「アラビア語はどこで習ったの?」というようなおきまりの質問の後、彼は突然、「ございます」など日本語の単語をいくつか言ってきました。「あなたは日本語をどこで習ったの?!」と聞くと、「エナミ」という返事。「コナンとか」。ああ!!「アニメ」ですね。アラビア語で漫画は、英語のなまった「カルトゥーン」という単語を使うことが多いし、「エナミ」が「アニメ」とは気がつきませんでした〜。子どもたちが日本のアニメを見ているだけでなく、最近はアニメ好きの10代、20代のパレスチナ人に出会うことが時々あります。

渋滞と入植者

エルサレムからナーブルスにバスで向かうには、ラマッラーで乗り換えます。そのかん、大きな3つの検問所を通りますが、その他にもいくつもの渋滞にぶつかりました。

まずは、エルサレムからヨルダン川西岸地区に入るところにある(実際にはくねくねとした分離壁とセットでややこしいことになっています)カランディア検問所。検問所で待たされなくてもこの周りは常に大渋滞。前日にラマッラー近郊のムガイール村でユダヤ人入植者がパレスチナ人を殺害したため抗議とお葬式に向かうパレスチナ人の車列に遭遇して渋滞。入植地近くの道路の交差点に軍用ジープと入植者らしき人の車が止まっていて通行が滞っていて渋滞。地元の工事なのか、イスラエル軍の工事なのか、黒煙が立ち上っていて、工事の周りに多数のイスラエル兵がいて渋滞。ザアタラ検問所の近くで渋滞。バスの中からでは乗客の人たちも何が理由かよくわからないことが多いのですが、占領ゆえの数々の渋滞です。

そして、ヨルダン川西岸地区(パレスチナ自治区)にある入植地に住むユダヤ系イスラエル人による暴力は毎日のように続いています(入植地は国際法違反です)。端的に傷害・殺人であり、ヨルダン川西岸地区で起きたことですが、このイスラエル人をパレスチナ側で裁くことはできません。そして、あれこれ理由をつけてイスラエル側ではたいした罪にならないことが多いです。ムガイール村での殺人事件については、国連も懸念を表明しました。

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投稿日:2019年09月23日(月)
この記事のURL:http://paleoli.org/?eid=286