パレスチナでは、伝統的な衣服や壁飾りにクロスステッチの刺繍をしてきました。村々に特徴的な色合いや柄があり、パレスチナは刺繍に満ちています。パレスチナの伝統刺繍は、ユネスコの無形文化遺産に登録されています。
ヨルダン川西岸地区(パレスチナ自治区)のイドナ村女性協働組合の女性たち(約50人)が、デザインから議論し、一針一針手で刺繍し、縫製含め仕上げまで全て行っています。イドナ村はヘブロンの西、グリーンライン(1949年停戦ライン)沿いにあり、分離壁によって村の土地が分断されています。
ヨルダン川西岸地区(パレスチナ自治区)のイドナ村女性協働組合。約50人の女性たちがひと針ひと針大事に手刺繍しています。中心スタッフの女性たちがデザインから議論して試作を重ねて製品を開発。メンバーはデザインや材料を事務所に取りに来て、刺繍は各家庭で空いた時間に行なっています。ミシンでの縫製も仕上げのアイロンも、最後までメンバーが行っています。
イドナ村は、ヘブロンの西、グリーンライン(1949年停戦ライン)沿いにあり、隔離壁によって村の土地が分断されています。もともとはイスラエルへの「出稼ぎ」が多かった村ですが、イスラエルでの労働許可証の数はイスラエルにコントロールされています。
女性たちの刺繍の仕事がそれぞれの家庭で貴重な現金収入源になっています。2023年10月以降、イスラエルへの「出稼ぎ」がイスラエル政府によって許可されず、厳しい移動制限によって他の仕事も失われる中、この刺繍団体に仕事を求める人が増えています。これまで以上の困難のなか、製造・出荷してくれています。
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